【体験談】実例あり!エンジニア転職後に役立ったポータブルスキル4選

こんにちは!

ケイと申します!

僕は元々大手メーカーの営業職として働いておりましたが、2022年に完全未経験でエンジニアに転職。

そこから3年間でSE→PL→PMと順調にキャリアを伸ばし、4月から管理職に昇格することになりました。

エンジニア転職の体験談はこちら

なぜ完全未経験で右も左もわからなかった僕がこれほどまでに順調にキャリアアップし、昇格できたか。

それは紛れもなく営業の経験で培ったポータブルスキルがあったからでしょう。

ポータブルスキルとは、業種や職種を問わず活用できる汎用的な能力やスキルのことです。

エンジニアという仕事は技術職ですが、それ以上にビジネス視点が重要視されます。

いかにして売り上げを増やして利益に貢献するかを考えて仕事をした経験はエンジニアと非常に親和性が高く、エンジニアしか経験のない人よりキャリアアップが早くなる場合があります。

今回は僕が実際にエンジニアとして仕事をする中で特に役立ったと感じる営業で得たポータブルスキルを4つ、体験談を交えてご紹介します。

営業からエンジニアへの転職を考えている方はぜひ参考にしていただき、面接のネタにしてみてください。

目次

相手に伝わりやすいように適切に伝える力

エンジニアに求められる「伝える力」

「エンジニアはひたすらパソコンに向かって、呪文のようなコードをカタカタ打ち続ける仕事」
そんなイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?

実際は、コミュニケーションの連続 です。

  • 顧客にシステムの概要や設計を詳しく説明する
  • タスクの状況を上司に報告する
  • チームメンバーと連携して開発を進める
  • トラブル時に的確に状況を報告し、解決策を協議する

これらができなければ、どれだけ技術力が高くてもエンジニアとしての評価は上がりません。

営業時代に培った「相手に伝わりやすいように適切に伝える力」は、エンジニアになってからも プロジェクトを円滑に進めるうえで不可欠なスキル でした。

実例1.初めての案件

エンジニアに転職して研修を終え、いよいよ初めての案件に参画することになりました。

右も左も分からない状態の中で担当したのはとある企業のナレッジ共有ポータルサイトの開発。

案件の規模はそこまで大きくなく、 PM・メイン担当の先輩エンジニア(以降Aさん)・僕3名体制 で進めることになりました。

想定外の事態、上流未経験の先輩エンジニア

この案件では 要件定義や基本設計といった上流工程から携わることになっていたのですが、なんとAさんは上流工程の経験がほぼゼロ だったのです。

今思えばそんな人にいきなり上流工程を任せるなよ・・・とは思います。

本来であれば、要件定義や基本設計では

  • お客様の要望を正確にヒアリングする
  • 仕様をドキュメントに落とし込む
  • システムの全体像を説明し、認識をすり合わせる

といったプロセスが必要になります。

しかし、Aさんは経験不足のため説明がたどたどしく、打ち合わせの場では 「何を言いたいのか分からない…」という空気が流れていました。

営業時代に鍛えたプレゼン力が役に立つ

「このままでは要件定義がうまく進まない…」

そう感じたPMは僕に白羽の矢をたてました。

そうして僕がお客様に対してシステムの概要や設計の考え方をプレゼンすることになりました。

前職では営業として日常的にプレゼンをしていたため、相手に伝わりやすい話し方や説明の流れを組み立てるスキルが身についていました。

そのおかげでお客様にも納得していただき、スムーズに要件定義・基本設計を進めることができたのです。

この経験を通じて、エンジニアにも「伝える力」が不可欠であることを改めて実感しました。

「プレゼンや説明なんて苦手…」と思うエンジニアは多いですが、逆にもし営業経験やそれに準ずる経験があるなら、それは大きな武器になります。

本質まで掘り下げることができるヒアリング力

エンジニアに求められる「ヒアリング力」

営業時代によく上司から言われたことの中に、「お客様が本当に求めているものを引き出すことが重要」というものがありました。

これはエンジニアにも同じことが言えます。

例えば、顧客から「こんなことで困っているので何とかしたい」と依頼があったとき、その背景までしっかりヒアリングしないと、本当に必要なものが作れません。

  • どうすれば困り事を解決できるのか
  • それを実現するためにどんな機能が必要なのか
  • 他にもっと良い解決策はないのか

こういったことを意識する必要があります。

これはプロジェクトの本質にも関わってくるところですが、システムを導入するのは「社内業務の効率化」や「売り上げアップ」など何かしらの目的があるはずです。

プロジェクトを成功させるとはつまりプロジェクトの目的を達成することに他ならず、顧客が提示している困り事は本質に関わる問題の一部が表面化しているだけに過ぎないのです。

そういった本質的な部分まで掘り下げる力が身についていれば、顧客の要望の奥にある課題を正しく理解することができます。

実例2.初めてのPL案件

僕が初めてプロジェクトリーダー(PL)として参画した案件についてお話しします。

この案件は、工数110人月(1人が110ヶ月かけて完成する規模感)で、チームの最大人数は10名程度と、比較的規模の大きなプロジェクトでした。

お客様は マーケティング系の企業で、社内基幹システムの構築を目的としたプロジェクト。

要件定義の段階から参画しましたが、お客様はシステム開発の知識がほぼゼという状況でした。

そのため、こちらが主体となってお客様の要望を整理し、システムとして実現可能な形に落とし込む必要がありました。

このときに営業時代に鍛えられたヒアリング力が非常に役に立ったのです。

「なんとなく」の要望を具体的な仕様へ落とし込む

お客様は開発の専門家ではないため、「こういうことがしたい」「もっと便利にしたい」といったふわっとした要望 しか出てきません。

例えば、ある打ち合わせでこんなことがありました。

要件定義の打ち合わせで、お客様から「売上と仕入データを分析したい」という要望がありました。

普通のエンジニアであれば「具体的にどのようなシステム化をお考えでしょうか」と聞くでしょう。

しかしそのままではお客様も「うーん。。。」となってしまいますし、仮に素人同然のお客様が案を絞り出してシステム化しても、本当に使いやすいものになるとは限りません。

余談ですが世の中にはそのようにして作られたが誰にも使われることのないゴミシステムが山のように眠っています。。。

そこで僕は、まず「何のために売上と仕入データを分析するのですか?」と質問しました。

そうすることで、要望の裏に隠れた本来の目的を知りたかったからです。

以下は、そのときのやりとりです。

顧客さん

「過去のデータから利益率が高い商品を抽出して、傾向を分析したいんです。」

ここで 「傾向を分析する」とは具体的に何を指すのか を明確にする必要があると感じました。

「傾向というのは、例えば商品のカテゴリーごとでしょうか?それとも価格帯や販売時期などでしょうか?」

顧客さん

「カテゴリーごとに分類して、利益率の良い商品を抽出したいです。」

お客様のニーズがより具体化されてきました。

そこで、システムとしての実現方法も合わせて提案します。

「それでしたら、カテゴリーごとの利益率をBIツールで可視化し、ランキング形式で閲覧できるようにしてみてはどうでしょう?」

顧客さん

「それは良いですね!一目でわかるし、次の戦略にも活かせそうです。」

ヒアリングのポイント:本質的なニーズを引き出す

このやりとりからも分かるように、お客様が最初に出す要望は 漠然としていることが多いです。

単に言われた通りにシステムを作るのではなく、

  • 何のために必要なのか?
  • 具体的にどんな視点で分析したいのか?
  • どうすればより分かりやすく、使いやすくなるか?

といった視点で深掘りし、本当に役立つシステムに落とし込むことが大切です。

営業時代に培ったお客様の意図を汲み取り、適切な質問を投げかける力は、エンジニアの仕事にもそのまま活かせるスキルだと、改めて実感した経験でした。

より良い解決策を生み出す提案力

エンジニアに求められる「提案力」

エンジニアは、ただ言われたことをこなすだけではなく、より良い解決策を提案する力も求められます。

特に営業経験があると、以下のような強みを活かせます。

  • コストや納期を考慮しながら最適な選択肢を提示できる
  • 顧客にわかりやすく説明し、納得感を持たせられる
  • 仕様変更や新機能追加の交渉もスムーズに進められる

実際、僕も開発を進める中でお客様が抱えている課題を解決する提案を行い、それが採用されることが多々ありました。

実例3.停滞した案件を打開し、売上アップにつなげた提案

僕がPMとして携わったBtoB向けSaaSシステムの機能追加案件での話です。

このプロジェクトでは、お客様が作成した設計書を基に開発を進める形式で進んでいました。

しかし、先方の担当者が多忙で設計書をなかなか用意できないという問題が発生。

その結果案件が進まず、プロジェクト全体の進捗にも影響が出始めていました。

「このままではまずい」と感じた僕は、一つの提案を考えました。

これまでの開発実績から、チームには十分なノウハウが蓄積されている

であれば設計の段階から対応することで、お客様の負担を軽減し案件の進行速度を上げられる。

さらに、設計作業がボトルネックにならなければ、お客様も案件を出しやすくなり、こちらの売上アップにもつながる

そう確信し、すぐにお客様へ「設計書の作成も、こちらで巻き取らせてほしい」と提案しました。

結果は大成功。提案は即採用され、プロジェクトは一気に前進しました。

お客様からも「助かります! ぜひお願いします」と喜ばれ、案件の停滞がなくなり納期遅れのリスクを解消。

さらに開発案件の数も増え、売上アップにもつながるWin-Winの結果を生み出せました。


営業経験が活きる「提案型エンジニア」

エンジニアの仕事は、ただ仕様書通りにシステムを作るだけではありません。

「どうすればもっとスムーズに進むか?」 を考え、最適な方法を提案できる人こそ、キャリアアップのチャンスをつかめます。

技術力だけでなく、こうした 「提案力」 もエンジニアにとって重要なスキルなのです。

多くの利益を生み出すコスト意識

エンジニアに求められる「コスト意識」

エンジニアにとって、「コストを意識した開発」は非常に重要です。

どれだけ優れたシステムを作っても、

  • 納期を大幅に超過した
  • 開発コストが予算をオーバーした
  • メンテナンス費用がかさむ設計になった

こうした状況では、ビジネスとしては失敗です。

一方、営業経験があると「売上・利益」を意識しながら開発できるため、

  • コストを抑えつつ最大限の効果を出す方法を考える
  • 工数のかかる作業を効率化し、無駄なコストを削減する
  • クライアントの予算に合わせた提案ができる

といった視点を持つことができます。

結果として、「単なる技術者」ではなく経営目線を持ったエンジニアとして評価され、昇格のチャンスも増えます。


実例4.方針を大幅変更することでコストダウンに成功した話

これは、僕がプリセールスとして提案段階から関わった案件です。

お客様から、Microsoft Accessを使った既存のシステムが使い勝手が悪くレスポンスも遅いためWebアプリケーション化したいという依頼を受けました。

まず初めに受けた内容で見積もりを実施しましたが、いくつか問題点が出てきました。

  • AccessのUIをそのままWebアプリで再現するにはフロントエンド設計・非同期処理・エラーハンドリングなど多くの工数がかかる
  • 単純なWeb化では、開発コストが膨れ上がる
  • パフォーマンス改善のためにサーバー負荷や通信コストの考慮が必要

そこで解決策としてAccessに近い操作性とレスポンス改善を考え、Windows Formアプリケーションを提案しました。

  • 枯れた技術で安定性がある
  • 非同期処理の実装が容易で、開発コストを大幅削減できる
  • 表形式の画面(データグリッド)をそのまま再現しやすい

その結果、単純なWeb化の見積もりから工数を約30%ダウンさせることができました。

お客様にすぐ提案し、「開発コストを抑えつつ、課題も解決できる」ことを伝えたところ採用されました。

開発側としても工数削減することで利益率が向上し、納期の余裕が生まれました。


コスト意識がプロジェクト成功を左右する

この案件では、「Webアプリ化ありき」で進めず、目的(使い勝手とレスポンス改善)を達成する最適な手段を選んだことがポイントでした。

エンジニアに求められるのは、単に言われた通りに開発することではなく、「ビジネスとして成功する選択肢」を見極める力です。

コスト意識を持つことで利益を最大化し、プロジェクトの目的も達成する、そんなエンジニアになれるのです。

共通して意識してきたこと

これまで紹介してきたスキルや経験には、共通している部分があります。

それは 「会社に貢献すること」「プロジェクトの目的と目標を達成すること」です。

会社に貢献するという意識

「会社にどれだけ貢献できるか?」という視点を持つことは、キャリアを長く安定して築いていく上でとても大切です。

例えば、

  • 給料が上がったら頑張るのではなく、頑張った結果として給料が上がる
  • 責任あるポジションを与えられたら動くのではなく、自ら積極的に動くことで信頼を得る

といった考え方を持つことで、仕事の成果もついてきます。

もちろん、会社側も社員の努力に報いる仕組みを作るべきですが、まずは自分から行動を起こすことが大切です。

「会社と社員は対等な関係」 です。

お互いがWin-Winの関係になれるよう、自らの価値を高めていくことが重要だと考えています。

プロジェクトの目的と目標を達成する

エンジニアの仕事は技術を使って課題を解決することですが、そのためには「プロジェクトの目的と目標を理解すること」が欠かせません。

目的と目標はよく混同されますが、別の意味で使われます。

目的と目標の違い

目的:プロジェクトを通じて何を実現するのか(例:業務効率化、売上向上など)

目標:納期・コスト・品質の基準をどのように満たすか

これらを達成するためにはプロジェクト全体の流れを把握し、最も効率よく目標を達成するにはどう動けばいいかといった観点で動く必要があります。

逆に言うと、これらの意識があれば今より効率よく動くことができるようになるのです。

会社と社員だけでなく、顧客との関係もWin-Winにする必要がありますからこれらの意識を持つことも非常に重要です。

そしてこれらはエンジニアに限らず、どの職種でも役立つ「ポータブルスキル」です。

未経験からエンジニア転職を目指す場合、現職でこうしたスキルを磨いておくことが、面接の強いアピール材料になります。

何も大きなことを成す必要はありません。

ほんの小さな一歩でもいいので、積み重ねていくことが大事です。

徐々に理想に近づいていけるよう頑張りましょう!

まとめ

未経験からエンジニアに転職し、3年でPM・管理職に昇格できたのは、営業時代に培った「伝える力」「ヒアリング力」「提案力」「コスト意識」が活きたからでした。

「営業経験しかないから不安…」と思う方もいるかもしれませんが、むしろ営業経験は大きな武器になります。

エンジニアには技術だけでなくビジネス視点が不可欠 だからこそ、営業出身の人は 成長が早く、キャリアアップしやすいのです。

また、 「会社に貢献する意識」「プロジェクトの目的と目標を意識すること」も非常に重要です。

これらのスキルは、どの業界・職種でも活かせるので、未経験エンジニア転職を目指す方は、まず現職で意識して取り組んでみることをおすすめします。

大きなことでなくても、数字で表せなくても構いません。

まずは小さなことから、少しずつ積み重ねていきましょう。

営業からエンジニアへの転職を考えている方は「営業経験をどう活かせるか?」をしっかり整理し、転職やキャリアアップにつなげてみてください!

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この記事を書いた人

ケイのアバター ケイ 現役エンジニア&採用担当

27歳で未経験からエンジニアに転職し、3年で SE → PL & 採用担当 → PM & 管理職 & 採用担当 へ昇格
✔ 未経験からエンジニア転職する方法
✔ 営業スキルを活かしてキャリアアップするコツ
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